先輩として後輩に何かを伝えるときは、「短く・正しく・わかりやすく」が基本です。
しかしながら、近年では私自身がアシスタントのときにはなかった注意点が出てきたのではないかと思います。たとえば、後輩を叱るときに強い口調で叱れば「パワハラ」になるのではないか、褒め方を間違えれば「セクハラ」と取られる、というようなことも注意しなくてはならなくなりました。
今回はそのような注意点を踏まえた伝え方のポイントを紹介します。
指示する
サロンワークにおいて、スタッフへ指示を出す機会は多いと思います。「お客様をご案内してもらう」「シャンプーをお願いする」「カラーを代わりに塗布してもらう」などなど・・・。
その際に効果的な指示の出し方3つのポイントを紹介します。
三つのポイント
①「命令するのではなく指示をする」
アシスタントが嫌うものの一つに先輩からの「命令」があるのではないでしょうか。
たとえ仕事を覚えなければいけない新人アシスタントでも、先輩の物言いが上から目線で、一方的に押し付けるだけのものであれば、やる気が出ないですよね。
三年目四年目のアシスタントであればなおさらです。
今のご時世相手の受け取り方次第で「パワハラ」にもなりかねないので、先輩は物言いに細心の注意を払う必要があります。
では、具体的にどうすればいいのか?それは「命令」ではなく「指示」をするようにすればいいのです。
指示をするときの注意点
- それぞれのアシスタントの理解度に合わせて言葉選びをする
- その仕事をするべき理由を付け加える
② わかりやすく、シンプルに
話が長くわかりにくいと内容がうまく耳に入ってきません。
なので基本的に結論を先に伝え、「何をしてもらいたいのか」を正しく伝えましょう。
わかりやすく伝えるときに「数字」を交えるのも効果的です。
たとえば「できるだけ早くシャンプーして」をよりわかりやすく「○時までに仕上げられるようにシャンプーをお願い」だとアシスタントもイメージがしやすいと思います。
③「指示」と「依頼」を使い分ける
新人アシスタントには、仕事を覚えてもらうためにもどんどん指示を与えたほうがいいと思います。
ですが、ある程度仕事を任せられる三年目四年目のアシスタントには、「指示」の他に「依頼」するのも効果的です。
なぜなら、仕事のできるアシスタントに必要以上に細かく指示を出しすぎると、「それぐらいできるよ」とモチベーションが下がってしまうからです。
※指示は出して終わりではなく、その指示が実行され、無事完了するまで見届けましょう。
叱る
「叱る」と「怒る」は違うなどと言いますが、最近は叱ることも、叱られることも慣れていない。そんな現状があるのではないかと思います。
しかしながら、後輩が失敗やミスをしたら、それを指摘して正しく導くことも必要です。
その時に、いきなり叱ってしまうと、後輩は心を閉ざしてしまいます。(メンタルが強い子は別ですが)。指示すると同様に叱り方を間違えても「パワハラ」の原因になりかねないです。
三大ルール
①理性中心で叱る
感情をあらわにして根性論を叩き込むような熱血指導は今の時代通用しにくいです。
私もスタイリストなりたての頃は感情を抑えられないことが多々ありました。きっとただ怖がられるだけで、あんまり伝わってなかったのではないかと思います。
なので、相手が理解できるようあくまで冷静に言葉で諭すことが大事です。
②その場で一回限りにする
同じことを何度も繰り返し叱るようなくどい叱り方は、確実に後輩に嫌われます。
なので、叱るときは一回限りとルールを決めておきましょう。できればサロンワーク中でも、問題が起きた時はバックルームに呼ぶなどして、その場で叱ります。
時間が経ってから「そういえば昨日のお客さまへの対応は、、、」などと叱っても本人は覚えてないかもしれません。以前勤めてたお店のオーナーはお客さまの前でも平気で怒ってましたね、、(⌒-⌒; )
③内容を一つに絞る
欠点や過去の失敗をいくつも並べて叱ると、何について叱られているのかわからなくなり、叱る意味がなくなってしまいます。「今」に絞って内容を一つにすると、叱られる側も何について叱られているのかわかりやすくなります。
正しい叱り方
①落ち着いて冷静に話す
威圧感を出すために大きな声で叱ったり、怖い表情をしたりするのはやめましょう。まさに以前の私です。恥ずかしい限りですね。話を聞いてもらうためにも落ち着いたトーンで叱りましょう。
②目を見て伝える
叱るときに限らず、相手の目を見て話すのは最低条件です。目を見ないで話すと真剣さが伝わりにくいです。
③叱ることを宣言する
冷静に話していると「叱られてる実感」が薄いという問題もあります。
「やばいこと」した自覚がないといった感じでしょうか。
そんなとき効果的な方法がこの「叱ることを宣言する」です。「同じミスをしてほしくないから、一言注意するよ」といったように、目を見て叱れば実感が湧くと思います。
褒める
褒められれば、誰だって嬉しいですよね。謙遜したり、リアクションが薄かったとしても、内心喜んでたりします。
たとえお世辞だとしても、相手があなたを褒めるのは「親しくなりたい」という気持ちがあるからだと思います。
ここでは効果的な褒め方を紹介します。異性を褒めるときは過剰に容姿を褒めないように注意しましょう!「セクハラ」の原因になりかねません。
褒め方のテクニック
①過去・現在+未来のイメージを強調する
後輩を褒めるとき、「それが相手の未来にどうつながるのか」を強調すると、より印象に残る褒め方になります。
「仕事が細かく丁寧だね。アシスタントのうちにそれだけの仕事ができると、スタリストになったときにきっとお客様の指名が増えるんじゃないかな」など。あくまで例えばですが、、、。
②褒め言葉「3S」
- 「すごい」
- 「さすが」
- 「すばらしい
この一言があるだけで、褒められた側はより自分自身の「特別感」を感じやすくなります。シンプルですが、好感を持たれるとても効果的な褒め方なので、ぜひ取り入れてみてください。
③褒め方の基本形
人は褒められたとき、なぜ褒められたのかを気にすると思います。なので「褒めた理由」を必ず付け加えるようにしましょう!「褒めっぱなし」にしないことが大事です。
三つの裏技
①褒められ慣れてない点を褒める
人はいつも同じようなことで褒められています。
なぜなら得意分野は成果を出しやすく、周りの目に留まりやすいからです。誰から見てもわかるようなことを褒めても、本人は感激が薄いかもしれません。
他の人が見逃してる後輩の長所を見つけ出し褒めるのも、できる先輩の必須スキルです。
「可愛い」と言われ慣れてる女性に「可愛い」と言っても、きっと印象に残らないでしょう!笑
②「専門家」として紹介する
お客様にアシスタントを紹介するときに、「〇〇さん、シャンプーがすごい上手なんですよ!」と紹介したり、「〇〇さんはとても勉強熱心なので髪の悩みがあれば何でも聞いてください」などと紹介するとお客様にも安心してもらえますし、会話も弾みやすくなると思います。
③真顔で繰り返し褒める
本気で褒めても、相手がお世辞だと決めつけて「またまた〜」なんて流されることってありますよね?
そんなときは真顔で繰り返し褒めましょう!
先ほども言いましたが、女性に対して真顔で容姿を褒めるのはやめましょう。好きな相手でもないかぎり気持ち悪いです。好かれるどころか「セクハラ」と受け取られ嫌われます。なのであくまでも仕事内容を褒めてあげるといいと思います。
まとめ
今回は「指示する」「叱る」「褒める」の三つの伝え方を紹介させていただきました。
これらのことは誰が伝えるかでもその効果や受け取り方が変わってくると思います。
わかりやすく言えば、顧客の少ない先輩スタイリストと、技術・接客のレベルが高く顧客の多いスタイリストとではその効果は大きく違います。先輩自身の人間力も大事ですね。私もまだまだ勉強することがたくさんあります、、、。
今回の記事が何かお役に立てれば幸いです。
GOOD LUCK!
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