「技術練習や接客応対のマナーに力を入れていても売り上げが伸びない」
「チラシやクーポン出していてもなかなか利益が生まれない」
このような悩みを抱えている美容室は少なくないと思います。
厚生労働省の調査によると、全国の美容室の数は25万7890件と年々増え続けています。これだけ多くの美容室がある中、技術や接客、内装だけで他店との差別化をはかるのは容易なことではありません。
ではお客様から選ばれる美容室になるために必要なことは何なのか?
それがブランディングです。
この本を読むことで、改めて「自分の強みは何なのか」「なぜ顧客は自分の店に来店してくれるのか」などを考えるきっかけになりました。
美容師必見の本だと思いましたので、私の感想も含めその一部を紹介したいと思います!
著者のプロフィール
著者の西川高弘さんは、17歳で美容師の道に入り24歳で独立をしています。1982年7月生まれと書いてあったので、私と同級生です。ちなみに私は33歳で独立しているのですが、24歳のときの私は「将来は自分のお店を持ちたいな」くらいしか考えてなかったです、、、。
西川さんは、愛知県豊田市で美容院DIAをオープンし、当時まだ一般的ではなかった頭皮ケアに力を入れ、自社商品「Dr.TOUHI」を開発・販売。頭皮ケアというブランディングが成功し、3年後にはこの本のタイトルにもある『美容師1人で1億円』を達成します!!
すごいですね〜!
その後30歳で美容師を卒業し、2014年にITサービスの会社「DIA株式会社」を設立しました。現在は集客・売り上げアップの支援をメインに、動画制作やWebマーケティング、Web制作も行なっています。
ブランディングの大切さ
ブランディングとは、自店の技術やサービスと他店とが明らかに区別されることで、お客様に「その美容室ならではのもの」として認識させる取り組みのことです。
ブランディングがなぜ大切なのか?
それは大きく分けて次の3つのメリットがあるからです。
- 集客
- 顧客単価
- 採用
ブランディングができていると、どんなお客様に来店してもらいたいかが明確になり、自然とお客様の選別ができます。また割引クーポンに頼ることなく集客ができるようになるのです。
売り上げは客数✖️客単価です。
今は「安ければ買う」という時代ではなく、自分にとって「価値のあるもの」にお金を払います。値段が安かろうと高かろうと、値段に見合った価値があればお金を払うということです。
しっかりとブランディングができていて、それに沿った技術なり、商品なりを提供できれば単価アップも可能になりますね!
みなさんもご存知だと思いますが、美容師業界は離職率が高いです。美容室が多いからこそ、やめて他の美容室に行ってしまう、、、。悩ましいことですね。
ブランディングが成功してれば、この悩みも解決できるというのです!「この美容室で働きたい」と自ら志願してくる人が増えるんですね。現に、求人を出さなくても電話やウェブサイトから応募がくる美容室もあるみたいです。
ブランディングは大切ですね!
ブランディングの手順
ブランディングの大切さはわかったが、具体的にどのように進めていけばいいのか?
この本では5つのステップで進めていく方法を説明してくれています。
①自分の強みを見つけ、美容室の方向性を決める
②ターゲットを決める
③価格を設定する
④強みを伸ばす
⑤インターネット、SNSを活用して認知拡大する
他店と差別化していくには、何かに特化すること!「当店はカットもカラーもパーマも得意です」では選ばれない。
例えば「中華料理店」と「和食も洋食も中華もあるレストラン」、中華料理が食べたい気分のときどちらの店を選ぶか?たいていの人は「中華料理店」を選ぶのではないでしょうか。
他業種を見てみても何かに特化したお店が多く存在しています。「食パン専門店」「モンブランケーキの美味しいカフェ」など。
美容業界なら「OCEAN TOKYO」がメンズカットでブランディングを確立させ成功していますよね。
「強みって言えるほどのものなんてないよ、、」そう思うかもしれません。
しかし、著者はこのように言っています。
業界で五本の指に入るほど得意なことを探せとい言っているわけではないのです。自分の中で、「これならある程度、他の人には負けない自信がある」というものを、伸ばせばいいのです。
スタイリストになるまで美容師を続けているなら、何かあるのではないでしょうか。私の場合、ショートやボブスタイルがある程度自信があり、情熱をそそいで取り組めます。
また、スタイリストに限らずアシスタントだって個性は出せます。
ヘアアレンジが好きなら自分でできるヘアアレンジを動画を配信するとか、シャンプーに自信があれば頭皮のツボや頭皮ケアの方法をお客様にレクチャーするなど、個性の出し方はいろいろあるのではないでしょうか。
強みを見つけたら、次は「ターゲットを決める」です。
ターゲットを決めるとき、「30代主婦」や「40代高所得男性」といった年齢や性別、収入、既婚か独身かなどによる区別の仕方で考えがちです。こういった人口統計学的データをデモグラフィックデータといいます。
私も今まではデモグラフィックデータによるターゲットの決め方をしていました。しかし重要なのはこれではないらしいのです。
何が重要なのか?
それは、サイコグラフィックデータです。サイコグラフィックデータとは、趣味・嗜好、習慣、価値観による区別の仕方です。「美容室ではゆっくりとくつろぎたい」「仕事に子育てと忙しく、おしゃれをしたいけど時間がない」など、ライフスタイルや価値観を具体的に表すデータです。
サイコグラフィックデータのほうが、よりターゲットを絞り込めるということですね。
「価格設定」は私もお店を出すときに考えましたが、そのときはブランディングということを知らず、お客様のことを考え以前のお店と同じ価格設定にしました。
今思えば独立するときにしっかりとブランディングをし、価格設定をすればよかったなと思います。
独自のブランディングを築き上げている美容室であれば、価格の設定を周りと比べる必要は全くありません。価格に固執することなく、お客様を満足させることが重要です。お客様に価値を感じていただけるサービスを展開できていれば、価格は関係ありません。
著者もこのようにおっしゃっています。
インターネット集客
「インターネット集客ね〜、わかってはいるけどあんまり詳しくないんだよな〜」
「マメなほうじゃないから毎日更新とか面倒くさいな〜」
私も耳が痛いです、、、。しかしながら今の時代、インターネット集客は必須です。
どんなに強みや価値があっても世の中に発信できてなければ意味がありません。その発信方法としてインターネットは不可欠だというのです。
i.OsakaのISSEIさんはショートの王様として人気を集めていますよね。私が最初にこの方を知ったのもインスタグラムでした。
今の時代はたとえ地方の美容師でも、インターネットで発信をし有名になれる時代です。もちろん集客や採用にも効果があります。
インターネット集客で活用できる5つのツール
①ウェブサイト
②ランディングページ
③SNS
④動画配信(YouTube)
⑤Googleマップ
私個人的にはSNSが手軽に始められていいのかなと思います。
代表的なSNS
- インスタグラム
- ツイッター(Twitter)
- フェイスブック(Facebook)
- LINE
- ティックトック(TikTok)
まずは自店のターゲットにあったSNSを3ヶ月続けてみることを推奨されていますので、ぜひやってみてください!
気づき
今までなんとなく知っていたブランディングというものが、この本を読んだことでより明確にその大切さがわかりました。
また、「自分は何が得意」で「どんなお客様に来店してほしいのか」などを考えるきっかけになりました。
たくさんある美容室の中から自分のお店を選んでいただき、売り上げを伸ばしていくことは容易ではありません。その切り口の一つとしてブランディングは不可欠だと思いました。
インターネット関連のことも多く書かれているので、時代に遅れをとらないように勉強しなきゃなとも思いました。
みなさんもぜひこの本を読んで、ブランディングについて考えてみてはいかかがでしょうか!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
GOOD LUCK!
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