『人は聞き方が9割』永松茂久

「お客様との会話が続かない」

「自分も人と上手にコミュニケーションを取れるようになりたい」

「会話の話題が思い浮かばない」

こういった悩みが出てきたときに、つい考えてしまうことが「もっとうまく話せたら」ということですよね。でもこれがそもそも違うのです。コミュニケーションにおいて大切なことは「話上手になること」ではなく、「聞き上手になること」なのです。

たまに、マシンガンのごとく喋り倒す美容師がいますが、それでは指名はつきません。なぜなら「人は本来話したい生き物」だからです。お客様も「話したい」のです。髪の不満や悩みを聞いてほしいと思っています。指名の多い美容師は聞き上手な人が多いように感じます。

この本は聞き上手になるための方法を教えてくれます。そしてそれは誰にでもできるような簡単な方法です。今回はその一部を紹介させていただきます。

聞き上手になれれば、普段のサロンワークやスタッフ同士のコミュニケーションで役に立つこと間違いなしです!

目次

著者のプロフィール

著者である永松茂久氏は、株式会社人財育成JAPANの代表取締役を務め、「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトをもとに人材育成を行っています。

全国で多くの講演やセミナーを実施している人材育成のプロです。講演の累計動員数はなんと45万人にのぼるそうで!!

『人は話し方が9割』など多くの著書を世に送り出していますが、現在は執筆活動だけではなく、次世代育成、出版コンサルティング、イベント主催、映像編集、ブランディングプロデュースなど数々の事業を展開する実業家であります。

『人は話し方が9割』は年間累計発行部数65万部を達成!私も読ませていただきましたが、話し方の本にもかかわらずその内容はスタートから「聞き方が9割」と書かれているから驚きです!

そして今回『人は聞き方が9割』が出版されました。

著者はコミュニケーションにおいて「話し方」以上に「聞き方」がとても重要であることを伝えたかったのだと思います。

話を聞くときに意識しておくこと

「言葉」を聞くのではなく「感情」を聞く

本書で紹介されている「ねぇ、聞いてる?」問題。我が家でもあります。私は話を聞いているつもりなのですが、なぜか妻から言われるこの言葉。どうしてこのような問題が発生するのか。それは解釈の違いです。

私は妻の話をちゃんと聞いて内容も把握しています。しかし私が聞いているのは「言葉」であり、妻が聞いてほしいのはそのときの「感情」なのです。感情に寄り添って聞いていないので、「ねぇ、聞いてる?」問題が発生するのです。

これには私も納得!そしてこの本を読んだ次の日から意識するようにしました。何となくうまくいってるような気がします!笑

人は安心感をくれる人を好きになる

本書の理解を深めるために、一本の軸となる言葉があります。そしてこの本で著者が伝えたい最も大きなテーマでもある言葉です。

それは、「すべての人が一番初めに求めているもの、それは安心感である」ということ。

人にはいろんな感情がありますが、一番の基礎となり求めているものが「安心感」です。人は安心することで相手にも心を開きます。確かにそうですよね!なんだか怪しげな人、信用できない人に心は開きませんよね。

あなたは人に安心感を与えていますか?

では、どういう聞き方が人に安心感を与えるのか、、それについては後述します。

人間の3大心理

人とコミュニケーションをとる上で知っておくべき大切な人間の3大心理があります。それは、

「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」

「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」

「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」

この3大心理を意識してるかしないかで、聞き方はだいぶ違ったものになると思います。人は自分の話を聞いてくれる人、自分のことを認めてくれてわかってくれる人を求めているんですね。なるほどなるほど、、、。

話を聞ける人はとても希少価値があり、3大心理が普遍的なものである以上これからもその価値は上がっていくのだと思います!

魔法の傾聴

「人に安心感を与える聞き方」には5つの聞き方があります。著者はこれを「魔法の傾聴」と呼んでいます。

傾聴とは、相手の話に共感しながら関心を持って聴くことです。芸能人でも聞き上手な人は必ずと言っていいほど、この「魔法の傾聴」ができています。

普段お店のミーティングなどで、スタッフからなかなか意見が出てこないのには理由があります。

それはミーティング中のオーナーや幹部クラスの難しい顔です。そしてオーナーにとっての正解を言わなければいけないというプレッシャー、正解でなければ即却下。これではいい意見など出るはずがないです。それを理解していないオーナーや幹部が多いということなんですね。

つまり、人に安心感を持って話してもらうには、聞く側のリアクションも大切であるということ!そんな感じで5つの聞き方を紹介します。

①表情

笑顔を出すことを心がけることは大切なことですが、相手が悲しい話をしているのに笑顔で聞いていては相手の気持ちに寄り添っていることにはなりません。

話の内容に合わせた表情を意識しましょう。

現在はコロナ禍で営業中はマスクをしていると思います。そこで重要なのが「目」です。鏡を見ながらいろいろな表情を作ってみてください。そのとき眉間を意識するといいみたいです。

②うなずき

聞き方最強のスキルがこの「うなずき」です。そして「うなずき」は弱・中・強を使い分けるとより効果的です。格闘ゲームの弱パンチ・中パンチ・強パンチ的な、、笑

弱は首を固定したままアゴだけで、中は頭ごと、強は首・頭すべて使ってうなずく。普段は弱、相手が感情を込めて話してるときは中、自分も納得したときは強といった感じでタイミングのいい使いこなしができると、相手の話にリズムが乗ってきます。

③姿勢

相手の話をどのような姿勢で聞いていますか?腕組みをし、ふんぞり返って聞いていませんか?スマホをいじりながら聞いていませんか?相手に体を向けて聞く、スマホはいったん置く、相手に不快感を与えないために意識しておくといいと思います。

④笑い

うなずきと同等くらい相手に安心感を与えるのが「笑うこと」です。人は一緒に笑ってくれる人を好きになります。話が面白い人も確かにいます。しかしながら、私たちは美容師です。お笑い芸人ではありません。無理して笑をとろうとせず、一緒に笑うことを心がけましょう!

⑤感賛(感嘆+称賛)

先述した『人は話し方が9割』の中で「拡張話法」という相手の話を広げる方法が書かれています。

拡張話法

  1. 感嘆・・・相手の話に感心を示す言葉。「わぁ〜」「へぇ〜」「お〜」など
  2. 反復・・・相手の話を繰り返して確認すること。
  3. 共感・・・相手の気持ちに寄り添った声かけ。
  4. 称賛・・・相手を褒め称える言葉。「すごいですね」「さすがですね」「素敵ですね」など
  5. 質問・・・相手の話を広げる言葉。「それでそれで?」「その後どうなったの?」など

感賛とは、著者がこの中の感嘆と称賛をセレクトし、合体させた言葉です。

「お〜!、それはすごいですね!」のように「驚き+褒め」を少しオーバーに相手に返してあげると、話し手のテンションが上がってきます。

「魔法の傾聴」という5つの聞き方でしたが、どうでしたか?これならできそうと思いませんでしたか?最初はわざとらしい感じになってしまうかもしれません。ですが日々意識して聞いているうちに、慣れてきて自然にできるようになっていくと思います。

ぜひ、いろいろな人との会話で取り入れてみてください!

嫌われない聞き方

「人は誰しも、なんらかの不安を抱えている。まずは相手に好かれようとたくさん話すことより、その不安をなくしていくことのほうが先である」

「好かれる前に、まずは嫌われないこと」

私も以前先輩に言われたことがあります。スタッフ数が多かったりすると、お客様によっては担当のスタイリストはもちろんのこと、お気に入りのアシスタントがいたりもします。そんなとき自分ができることは、最低限「嫌われないこと」。

話し方や聞き方で嫌われてしまうことはありえることです。

著者は「嫌われない聞き方」を9つにまとめていますが、ここではさらにその中から私が特に重要だと思ったことを4つ紹介します。

①否定しない

人それぞれ価値観が違います。違う意見の人を否定せず、「自分とは考えや価値観が違うだけ」と受け止めるようにしましょう。※人に危害を加えることは別

②話す相手と競わない

相手の話にマウンティングしないようにしましょう!これは本当に嫌われます!コミュニケーションにおいて相手の優位に立とうと競う必要はないんです。

③結論を焦らない

まだ話終わってないのに結論を予想して先に言いたがる人っていますよね。

せっかちさんなんでしょう。

そういう人に合わせた話し方もあります、、、。ですが話すのが得意で上手に話をまとめられる人もいれば、話すのが苦手でなかなか結論に辿り着かない人もいます。そんなとき結論を求めたりせず、話が終わるまで待ってあげましょう!

④話をさえぎらない

相手が話してる途中で話を変えたり、自分の話にもっていくようなことをしないように気をつけましょう!それをすると結局相手は言いたかったことが言えずに終わってしまったり、何を話していたのかわからなくなってしまします。「話は最後まで聞く」嫌われないためにも大切なことです。

まとめ

今回紹介させていただいたこと以外にも、「聞き上手になることで得られるメリット」や「また会いたいと思われる人の聞き方」などが書かれています。

本書を読むことで、人とのコミュニケーションにおいていかに「聞き方」が大切であるかがわかると思います。美容師はセールストークや説明力も大切ですが、まずはお客様の話を聞くことが重要です。

私はこの本に書いてあることを意識して会話をすることで、話し相手の反応が変わったと実感しました。仕事ならばお客様との会話で意識してみたり、プライベートでは家族や友人との会話で意識してみたりするといいと思います。

きっとなにかが変わります!

私自身、アシスタント時代お客様と会話するのがあんまり得意ではありませんでした。そのときにこの本に出会いたかったです、、、。

会話苦手な方はぜひ読んでみてください!

GOOD LUCK!

ゆっくん
読書美容師
サイト運営者のゆっくんと申します。美容師歴20年、個人で美容室を営んで7年です。自分の経験や、勉強したことを元に役立つ情報を発信していきます。よろしくお願いします。

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